ハーミットイン 冒険の記録

世界のオールドスクール・ファンタジーミニチュア(28mm)と、水溶性カラー「コートデアームズ」のセレクトショップ「ハーミットイン」のブログ。

たびげいにん の ふえのね が きこえる。

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片足で器用にバランスをとりながら、笛を奏でる旅芸人。足元の帽子には、聴衆の投げたコインが何枚か入っている。旅慣れた彼に最近の噂を聞きたければ、君も小銭を弾んでやることだ。話にどれだけの価値があるかは、君が入れた投げ銭の額による。

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アドベンチャラーズガイド:旅芸人①

小さな街や村に暮らす人々にとって、旅人は外の世界に関する貴重な情報源であると同時に、警戒すべきよそ者だ。自分の生まれた町や村を離れることすら稀な人々にとって、よそ者はその種族や職業を問わず、敬して遠ざけられるのである。

 

その意味で最もわりを喰っているのは、恐らく旅芸人の一行だろう。放浪の生活を続ける彼らは、傭兵や冒険者なみに胡散臭がられる。だがもちろん、旅芸人はもっともらしい理屈をつけて他人を殺したり、邪悪な種族であるというだけでその住処に押し入って財宝を根こそぎ強奪したり、英雄的な夢想にとらわれて悪鬼の住む森に飛び込んだりはしない。何人もの演者が集まって家族同前の一座をなし、危険の少ない街道をたどりながら、行く先々で公演を重ねているに過ぎないのだ。


彼らの出しものは寸劇や舞踊、合唱、動物芸など、非常に多岐にわたる。そしてそのほとんどにおいては、楽士の音楽が欠かせない。ときには一座の評判すら彼らの演奏いかんで決まるため、楽士は要求される技術の水準も高く、そのぶん一座における発言力も大きいのが常だ。なかにはその道数十年、エルフの場合には数百年という大ベテランもおり、楽の音の妙やかなること、詩と物語のレパートリーの幅広きことといったら、澄まし屋の宮廷詩人も裸足で逃げ出すほどだという。また、伝承に秀で、各地を旅する彼らは驚くほどの事情通でもあり、同じく人々から怪しまれている冒険者にとっては、極めて貴重な情報源ともなるだろう。