ハーミットイン 冒険の記録

世界のオールドスクール・ファンタジーミニチュア(28mm)と、水溶性カラー「コートデアームズ」のセレクトショップ「ハーミットイン」のブログ。

ネズミとり が きみを みている。

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彼は、教養や品格をまったく持たぬし、社交的でもない。だが、ネズミなどの害獣や下水道に関する知識にかけて右に出る者はいまい……学者や魔術師ですら知り得ぬ事柄に、このみすぼらしい男は精通しているのだ。

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アドベンチャラーズガイド:ネズミ捕り

農村に鉱山、そして都市。有史以来、知的なる諸種族は、善悪の差はあれど、その生活圏を文明によって切り拓いてきた。だが、こと数の上では、これら居住地の開拓者が、必ずしも支配者であるとは限らない。人の住むところに人より多く生息する真の支配者、それはネズミである。

 

当然、この招かれざる支配者どもの存在は、開拓者にとって頭の痛い問題だ。食料を食い荒らし、たたでさえ清潔とはいえない生活環境を糞尿とダニで汚し、おまけに疫病まで媒介するネズミは、ともすると街の全滅にもつながりかねない脅威なのである。ゆえに、ある程度の規模を持つ居住地には、必ず専業のネズミ捕りが存在する。彼らはネズミの巣にあたりをつけると、毒餌をまき、罠を仕掛け、いよいよとなれば煙でいぶして一気に追い散らす。その腕前は、さすが玄人という他ない。

にもかかわらずネズミ捕りは、同族から感謝されることも、尊敬されることもない。それどころか、おおかたは酷い差別を受けている。仕事がら下水をはじめとする不潔な場所をうろつくため、常に異臭を放っているし、皮膚病や内臓を患っている者も少なくないからだ。「ネズミとりがネズミになる」に等しいこの皮肉によって、彼らは守っている同族から蔑まれ、町はずれや路地裏でひっそりと暮らしているのである。もし君がネズミ捕りに出会ったら、臭いに顔をしかめるまえに、この事実を思い出すこと。町の人々がいなくなってもネズミ捕りは困らないが、ネズミ捕りがいなくなれば、町はすぐさま「不浄のるつぼ」と化すであろう。